Simon & Garfunkel / Bridge Over Trouble Water (1970)

Simon & Garfunkel

Bridge Over Trouble Water

CBS : S 63699

side A

1. Bridge Over Troubled Water
2. El Condor Pasa
3. Cecilia
4. Keep The Customer Satisfied
5. So Long, Frank Lloyd Wright


side B

6. The Boxer
7. Baby Driver
8. The Only Living Boy In New York
9. Why Don’t You Write Me
10.Bye Bye Love
11.Song For The Asking

僕らの世代では音楽の教科書にも載っていたアメリカの男性フォーク・デュオ、サイモン&ガーファンクルのラスト・アルバムにして、世界中で大ヒットした言わずと知れた最高傑作。
それ故に中古レコード屋へ行けば、状態の良いものでも300〜500円程度で手に入ることができるのは、レコード好きに取っては周知の事実。
しかしその内容は、このレコードがリリースされた1970年の数多の名盤と比較しても、トップクラスのクオリティだ。
さながらオアシスの『(What’s The Story) Morning Glory』のように、全ての曲でシングルが切れると言っても過言ではないくらい、個別の楽曲クオリティは非常に高い。

もっとも有名なのは、教科書にも載っているペルーの民謡を取り上げた「El Condor Pasa 」だろう。
悠久のサウンドに乗せて歌われる「打たれる釘よりも打つハンマーになりたい」という歌詞で物議を醸したのは有名な話だ。


そして、力強いピアノの旋律とゴスペル的な雰囲気が感動的な表題曲「Bridge Over Troubled Water」、サンバのリズムが躍動的でクラブDJにも人気が高いS&G随一のポップ・チューン「Cecilia」、名ドラマー ハル・ブレインのサンドバックをブチかますようなショットが印象的な「The Boxer」、近年同名タイトルのカーアクション映画で使われたことでも知られるファンキーで軽快なアコースティック・ポップ「Baby Driver」、後年にエヴリシング・バット・ザ・ガールがカバーした清廉なフォーク・チューン「The Only Living Boy In New York」など、個別の楽曲は非常にバラエティ豊かで、この時期におけるポール・サイモンのソングライティングの非凡さは特筆に値する。
有終の美を飾る、という意味では、ビートルズの『Abbey Road』にも匹敵する歴史的名盤だろう。

僕は「Bridge Over Troubled Water」「So Long, Frank Lloyd Wright」「The Boxer」に感じる、荘厳で冷たい空気感がとても好きで、雪がちらつくような冬の寒い日に聴きたくなる。